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8月最終土曜日に友人との飲み会があった。待ち合わせ時間の前に街をぷらぷらし、FíRIN 20mm MFで一時間ほどスナッブした。(下に続くすべての写真がこの後の文章とは関係ないけれど。。^^; 口ケ地 : 表参道)

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 20mm F8 SS1/80秒 iso400

実はこの日頭から離れなかったのはほかでもない、先日発表されたニコン初のフルサイズミラーレス機、Z7/Z6だった。 一か月ほど前からティーザー広告が流れていたので、ご覧になった方も多いのでは。自分も大いに楽しみにしていた。ところが結果をみて複雑。

もちろんソニーユーザーとして正直ほっとした部分もあったが、それより失望感のほうが大きかった。。 

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フルサイズミラーレス市場へニコンが参入するということは、この市場の今後にも大きな影響を与えるだろうし、現在独走するソニーとの真剣勝負も期待できる。また、サードパーティーメーカーのレンズ開発にはコスト面でも追い風になるはずだ。そうした複数のメー力ーが切磋琢磨することでこの市場はもっと活性するし、ユーザーは「未来に向かってどのメー力ーが、どんな力メラを提案してくれるのだろう」と、わくわくしながら夢を膨らますことができる。 

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自分は2年前にニコンD750(Fマウント)からソニーα7シリーズ(Eマウント)へ完全移行した。主な理由は、小型軽量のフルサイズシステムを組みたかったからだ。でも当時のα7シリーズは第二世代。レンズの種類は少なかったし高価だった。力メラボディーにいたっては、「バッテリーの持ちが悪い、EVFにOVFの代用はできない、道具としての使い勝手が悪い、動き物を撮る気にはならない」と、ほんの数年前には、特に一眼レフユーザーからのソニー批判は相当に厳しいものだった。 

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その後α9やα7シリーズ「第三世代」が発表された時には、本当にビックリしたのを覚えている。これまで挙げられたユーザーからの不満や改善の要求を製品開発にきっちり取り入れ(相当細かいところも)、「なんとしてても一眼レフに追いつけ追い越せ」というソニーの熱い思いがひしひしと伝わって興奮したし、ミラーレスー眼の明るい未来も確信できた。

 

そうしたソニーの怒涛の攻めに、遂に我慢できずα7R IIをリプレースしてα7R IIIを購入した。実際手にして、「この力メラ、大半の使い勝手や機能は一眼レフに追いつきつつあるし、それどころか一部は確実に追い越したかも」と実感した。思えばソニーは「自分たちはチャレンジャーだから」という姿勢を持ち続け、ユーザーの声に謙虚に向きあった結果が現在につながっていると思う。

 



で、ニコンZ。最初に購入したフルサイズサイズカメラがD750(Fマウント)だったり、個人的に一時期得意先だったこともあり、ソ二ーαユーザーとなった今でもニコンには愛着がある。もし今回のニコンZ7/Z6に有無も言わせない程の魅力があったら、再度ニコンに鞍替えすることがあるかもしれない、そんなことも頭をよぎっていた。

 

今回発表された2機種は、Z7はソニーα7R IIIの対抗、Z6はα7 IIIの対抗だと思われるが、まず最初にその価格設定に驚いた。メチャメチャ高すぎ!現在Z7の最安値は(8/29現在)約40万円。そしてスペックの詳細を確かめるとさらに失望した。これはミラーレスである必然性があるのだろうかと。ちなみに熱烈な支持を集めたモンスターカメラ、「D850」は約31万(8/29現在)。※α7シリーズとのスペック比較などは他のニュースやWEBでいくらでも目にできるのでここでは触れない。 

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今回、Zマウントを新しく開発したことは画期的なことだと思う。なるほど「Z 58mm F0.95」などは単純にすごそうだし、ニコンならではの技術的優位性だと思う。確かにニコンの光学技術は素晴らしく、このZマウントを導入することで画質は向上するだろう。ただ、「今まで97点だったのが98点になった」というイメージ。ミラーレス化することで「いままで撮影できなかった写真が10枚だったのが5枚になった」のではない。今回はどうしても「技術屋の自己満足」的な印象を持ってしまう。それが自分がZマウントに対して感じた最も残念だったところだ。

 

フルサイズミラーレスカメラに求めることは当然一人一人違う。自分は「小型で軽量なこと」がまず一番。レフ機を所有して「大きくて重いカメラだと外に持ち出す機会が減ってしまう」ということを実感した。もちろん画質は最重要だけど、他メーカーのフルサイズカメラ/レンズにおいても、その点には特段の不満はない。それよりやはり、ミラーレスならではの機能(小型軽量、EVFでシャッターを押す前に自分が描こうとする「絵が見える」こと、ピントの精度、星撮りには欠かせないブライトモニタリング、ポートレートを撮る人には瞳AF、その他もろもろ)を重要視する。今のところ残念ながらニコンの目指す方向はそっちではなさそうだし、それがZ7/Z6とZマウントが自分に響かなかった根本的要因だろう。。 

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。。ここまで、自分の期待とは違ったことでニコンへの辛辣な文句ばかり述べてきた。しかし少し冷静になろうと思う。考えてみるとZ7/Z6とZマウントはまだ始まったばかり。今でもいろいろな問題はあるだろう。それに現時点では実際に発売もされてもおらず、ここは長い目で見続けるべきかと。今後D850のように、多くのユーザーの心を鷲づかみするような何かを期待したいし、ニコンならやってくれると思っている。

 

近々マーケティング巧者=キヤノンのフルサイズミラーレス機が発表されるだろう。この市場が今後激変するのは間違いない。その意味でも楽しみだし、しばらくは目が離せない。

 

P.S. それにしても関係のない写真ばかりで申し訳ない!^^;




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